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文学部学生が主体で実施する博物館実習・展示会 十二月展「京-祈り継いだ1200年-」

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2016年11月28日

文学部の学生が、11月30日(水)から12月3日(土)まで、「京(みやこ)-祈り継いだ1200年-」をテーマに、博物館実習・展示会(十二月展)を、本学大宮キャンパス本館にて開催します。
博物館実習とは、博物館学芸員資格取得のための授業で、なかでも十二月展は、学習成果の集大成となる実習展示会です。学生が、開催テーマを決定し、展示品となる史資料の調査や収集等、博物館学芸員課程で修得した知識や技術を活かして、企画・運営の一切を担うもので、今年で37回目を迎えます。
古くは、自然災害や、疫病を科学的に理解せず、怨霊が原因だと考えられていました。
怨霊の災いから逃れるため、人々は「祈」という方法で、怨霊を祀り、鎮めようとしました。祀りは寺社の「祭」へと発展します。
そのような歴史を、「創」、「禍」、「祈」、「祭」の四章にわたって京の災厄とそれに対する人々の祈りについて紹介します。特に御霊会から発展した祇園祭を中心に、人々が京に込めた思いを紹介しました。

展覧会名 : 2016年度 龍谷大学文学部博物館実習「十二月展」
       「京(みやこ)-祈り継いだ1200年-」
開催期間 : 2016年11月30日(水)~12月3日(土) 〔4日間〕
観覧時間 : 午前9時30分~午後4時30分 (最終日は午後4時受付終了) 入館料無料
会  場 : 龍谷大学大宮学舎 本館展観室(重要文化財)
       (京都市下京区七条通大宮東入る大工町125-1)

[十二月展 代表的展示品(予定)]
 桓武天皇像(比叡山)、墨書土器「春宮」の墨書あり(向日市教育委員会)、
 日本三代実録(龍谷大学大宮図書館)、解体新書(龍谷大学大宮図書館)


2016年度文学部博物館実習「十二月展」「京(みやこ)~祈り継いだ一二〇〇年~」展示概要


1.展示概要
(1)「十二月展」について
 文学部博物館学芸員課程の授業の一環として、毎年12月に実施している企画展です。この「十二月展」は、同課程で得た知識や技術を活かして、企画・運営、展示物の管理を学生たちが主体となって実施しており、今年で37回目を迎えます。
〈参考〉過去三年間の開催テーマ
    2013年度「今と昔の赤い糸―婚姻の歴史と文化をたどる―」
    2014年度「いろはの医―祈りと医療の歴史」
    2015年度「時季をかける菓子―京に伝わる歴史と四季」

(2)2016年度の展示について
 2016年度は、「京~祈り継いだ一二〇〇年~」という展示名称で開催します。
 科学が発達した今日でも、ひとたび自然災害や疫病が起こった時には多くの人々に社会不安が生じます。今回、かつての人々はそれをどのように対処してきたのかをテーマとしました。
 自然災害や疫病を、古くは怨霊が原因だと考えられていました。怨霊の災いから逃れるため、人々は「祈」という方法で怨霊を祀り、鎮めようとしました。このような祈りや祀りは、やがて寺社の「祭」へと発展します。本企画では、災厄に対する怨霊信仰をとりあげ、特に、御霊会から発展した祇園祭を中心に紹介しました。

(3)展示期間等
  展示期間 : 2016年11月30日(水) ~ 12月3日(土)
  開館時間 : 9時30分 ~ 16時30分(最終日は16時まで)
  入 館 料 : 無 料

(4)場所
  龍谷大学大宮学舎本館 展観室
  〒100-8268 京都市下京区七条通大宮東入ル大工町125-1

2.展示内容
 今回の展示では、第一章「創 ~京の造営と守護~」、第二章「禍 ~災厄とその元凶~」、第三章「祈 ~御霊会の 展開~」、第四章「祭 ~祈りの現在~」の四章にわたって京の災厄とそれに対する人々の祈りについて紹介します。
(1)第一章「創(つくり)~京の造営と守護~」
 第一章「創(つくり)~京の造営と守護~」では、平安京の成立と寺社配置に込められた意味を紹介します。桓武天皇は、怨霊や災厄から逃れるために長岡京から平安京への遷都を決意したと言われています。その際、陰陽五行説に基づいた四神相応の地として、この京都の地を選んだとされています。さらに、怨霊や災厄から平安京を守るために四方に寺社を建立しました。また、都の鬼門には比叡山延暦寺、北には鞍馬寺、南の出入り口には羅城門、その左右には東寺と西寺が建立されました。
 第一章の見どころは比叡山延暦寺の所蔵する桓武天皇の絵像です。延暦寺は、伝教大師最澄によって比叡山に延暦7年(788)にひらかれた寺院です。平安京の鬼門に位置する延暦寺は、国家を鎮護する寺院として朝廷から大きな期待を受け、桓武天皇の時代の年号「延暦」を寺号に賜ったといわれています。この桓武天皇の絵像は室町時代に描かれたもので、神格化され、延暦寺において祀られていたと推測されます。

(2)第二章「禍(わざわい) ~災厄とその元凶~」
 第二章「禍 ~災厄とその元凶~」では二つの節に分けています。第一節では災害や疫病といった災厄をもたらすといわれる怨霊及びそのルーツをとりあげ、その中でも平安京遷都の原因の一つとされる早良(さわら)親王について展示を行います。第二節では災厄の中でも疫病を取り上げ、さらに疫病神である牛頭天王についても取り上げます。牛頭天王は日本の御霊信仰に深く関わっており、信仰が広まる背景となった人々の考えや儀式、祇園社において祭られる以前の姿の記述を展示することで牛頭天王のルーツを追っていきます。
 本章の中で最もご覧いただきたいものは、早良親王の関連資料として展示する「春宮(とうぐう)」銘墨書土器です。この墨書土器は須恵器の底部の欠片と見られ、「春宮」の墨書が残っています。「春宮」とは春宮坊のことであり皇太子の衣食住といった私生活を司る機関のことです。長岡京内裏南方の官衙跡から発見され、出土した地層、整地関係から長岡京造営早期、早良親王時代の春宮坊と関係するものと考えられました。後の発掘調査で当該地から鼈甲や琥珀の加工品といった皇太子の宝物と考えられる製品が発見されたため、同地は長岡京における春宮坊が置かれていた場所であることがほぼ確定しました。長岡京時代の春宮坊から出土し「春宮」と墨書のあるものは珍しいためぜひご覧下さい。

(3)第三章「祈(いのり) ~御霊会の 展開~」
 第三章では、二章で紹介した、災厄の原因とされたものを祀り鎮めるために行われた御霊会についての展示をします。また現在の祇園祭へとつながる祇園御霊会についても紹介します。貞観5年(863)早良親王らの怨霊を鎮める方法として、神泉苑において朝廷主催としては初めての御霊会が行われました。その後早良親王らは上(下)御霊社に祀られ、そこでも御霊会は行われます。また祀る対象は違うとしても京都の各地で御霊会は行われました。その中でも現代の人々に身近なものとして伝わっているのが祇園御霊会です。この御霊会では疫病神である牛頭天王を祀り、現代の祇園祭へと繋がっていきます。様々な御霊会に色々な身分の人たちが関心を示し参加しています。その様子などを知りえる古典籍を中心に紹介しました。
その中でもご覧いただきたいのは『日本三代実録』
です。もともと平安時代に編纂された歴史書ですが、
今回は江戸時代に刊行された資料を展示しています。この資料には前述した貞観5年に朝廷が初めて執り行った御霊会に関する記述が見えます。誰が指揮を執り、どのような人たちが参加し、御霊会で何が行われたのかといった詳しい記述を見ることができます。

(4)第四章「祭(まつり) ~祈りの現在~」
 第四章では、古くから人々は、自然災害や疫病に対して、祈りや祀りで対処してきましたが、近代になり科学や医学の進歩などによって対応できるようになってきました。その結果、信仰という側面が薄れ、祈りが形骸化し、民衆の祭典になっていく過程を展示していきます。医学に関する資料を始めとして、江戸時代に描かれた祇園祭の錦絵、図説入りの祇園祭の記録や山鉾を描いた屏風など、色鮮やかな資料を展示します。民衆の力強い活力を展示から感じていただけたらと思います。
 代表的な展示は『解体新書』です。安永3年(1774)に杉田玄白、前野良沢らによってドイツ人クルムスの解剖書(通称ターヘル・アナトミア)が翻訳され、『解体新書』と題して出版されました。西洋医学が流入する以前に学ばれていたのは、漢方医学の流れを汲むものでしたが、実証医学というより思弁的傾向の強いものでした。本書は東洋の観念的医学から西洋の実証的医学への過程を知るうえで貴重なものです。
桓武天皇像(比叡山延暦寺 所蔵)
「春宮」銘墨書土器(向日市教育委員会 所蔵)
日本三代実録(龍谷大学大宮図書館 所蔵)
解体新書(龍谷大学大宮図書館 所蔵)
12月展ポスター

文学部

文学研究科

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