- 教員氏名
- 阿部 泰郎 教授
- 専門分野
- 宗教テクスト学・宗教文化遺産学アーカイヴス学
中世の日本、そして古き日本文化の伝承される世界、とりわけ宗教が生みだした文化をフィールドとして、文献を読み、また図像イメージや儀礼芸能、ひいて総合した空間を経験することを通して、そのメッセージを受けとめ、その世界像を再びよみがえらせ、失われたつながりを回復させることを目指す探求を行っている。これを「宗教テクスト学」と呼んでいる。
あらゆる位相の宗教テクストを読みとくことで、ひとつのテクストが秘めている隠されたメッセージが呼びおこされ、それらの間のつながりが見いだされ、これまで見えなかった世界が拓かれる。そんな経験を、日本の宗教文化の所産は限りなく与えてくれ、しかもその成果は、世界の、異文化の誰とも共有と交流ができる普遍性を示して、対話の可能性をもたらすのだ。-面白くないわけがない。
自分が選択した、というのはおこがましい。むしろ、対象が自分を選んで、向こうから「見ろ」「読め」「解釈しろ」と求められ、それに必死に取り組んみ、やがて夢中になり、ついに逃れられなくなった、という方が実感。つまりは、人と同じく出会いであり、それは一期一会で二度とはない機会が必ずや訪れる、それを大切にしたい。