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Faculty of Letters

文学部

藤原 崇人

藤原 崇人
教員氏名
藤原 崇人 准教授
専門分野
中国および北アジアの仏教史

研究内容を教えてください。

研究の専門は10世紀から14世紀頃までの中国および北アジアを中心とする仏教史です。この時代には「契丹(遼)」・「金」・「元」といった騎馬遊牧民(契丹人・モンゴル人)や農牧狩猟民(女真人)が建てた国家が中国の一部あるいは全体を支配し,ユーラシア東方において大きな影響力を持っていました。とくにこれらの国々と仏教との関わりを,文献だけでなく考古文物なども併用して具体化することにつとめています。

専門分野のおもしろさは何ですか。

現在までの中国仏教史という分野では,騎馬遊牧民や農牧狩猟民の建てた国家やその時代はあまり関心を払われることがありませんでした。いわば研究の空白地帯のようなものです。そこに切り込んでいくという点で大きなやりがいを感じています。実際に現地に足を運び,当時の仏教遺跡や仏教文物を目の当たりにすると,彼らの築き上げた仏教文化が,漢族王朝のそれに全くひけをとらないものであったことがよく分かります。彼らもまたユーラシア東方における仏教の展開に大きく関わってきたのであり,既存の史料と共に現在も次々に見つかっている新出史料を活用して,その関係性を具体化し,新たな歴史像を描いていくことが何よりの醍醐味です。

なぜその分野を専門として選ばれましたか。

大学院時代の恩師のひとりが宋・元時代を中心とする中国仏教史研究の大家でした。何かと目をかけていただき,ことあるごとに仏教史をやるように勧められました。いまにして思えば,私だけの「武器」を身に着けさせようとしてくれたようです。実際に学会や研究会に出るようになると,契丹(遼)・金・元代史に従事する同世代の優秀な研究者が数多くいることに驚きました。彼らと同じような研究をしていては到底かなわないと考えて,仏教史を専門に据えました。このように純学問的とは言えない動機で始めた仏教史研究ですが,いざ取りかかってみると,ユーラシア東方の歴史の展開に仏教が不可分の要素となっていたことが分かるようになり,歴史学研究における宗教的視座の必要性を強く実感しました。

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