- 教員氏名
- 北野 信彦 教授
- 専門分野
- 文化遺産学(保存修復科学)
これまで出土文化財(木製品・漆工品・金属製品・石造文化財)などの文化財科学的な調査や保存修復の仕事に携わってきました。これと並行してここ20年来は、日本の世界文化遺産である文化財建造物の塗装彩色修理に関係した科学調査や基礎的な文献史料の調査、どのような修理をしたらよいのかといった修理方針の策定、さらにはこれらの調査結果を広く一般の方にも興味をもっていただけるような資料活用に取り組んでいます。
歴史学の研究は文献史料を読み込んで過去の出来事の検証を組みたてる夢とロマンのある仕事です。その中で私はこれまで一般的には文化財と呼ばれてきた物=物的証拠を取り扱ってきました。文章は書いた人の意思が入りますが、モノはストレートな歴史の証言者です。このような文化財は私たちの先人たちが残してくれた貴重な文化の遺産=文化遺産です。直接モノに触れて作業するので新たな発見もあり、興味が尽きません。
はじめ私は先人たちの生活・文化・歴史を取り巻くどこを考える地理の中でも自然環境の気候や地形と人の生活・歴史事象との関わりあいについて勉強していました。この分野は、応用分野として文化財の調査や保存・修復作業に直接役立ちます。特に文化財を先人たちが残してくれた貴重な文化の遺産としてとらえこれを守り伝える仕事は、過去から未来の後輩たちへの文化・歴史・伝統の架け橋になる仕事なので、とてもやりがいのある仕事として専門に選びました。