- 教員氏名
- 楠 淳證 教授
- 専門分野
- 日本仏教学・唯識仏教
長期的研究テーマを「日本唯識の総合的研究」とし,短期的研究テーマを「貞慶撰『唯識論尋思鈔』の研究」としている。日本の仏教教学は論義によって練り上げられ展開したものであるという観点より,今までに2000有余の論義書(論義抄・短釈)を複写・蒐集し,論義テーマに関する研究を続けてきた。まもなく,貞慶撰『唯識論尋思鈔』に関する著書を刊行する予定である。
長年月にわたって大切に伝持されてきた古典籍を読み解くことによって,当時の学侶の思考形態や全体的な思想展開が見えてくる点に興趣がある。
龍谷大学の仏教学研鑽の歴史は,大学創設以来の380年間に及ぶが,その間,倶舎・唯識・華厳・天台の4つの学問が伝統的に継承されてきた。その内の唯識学を私は受け継いだが,何よりも「具体的な現象(事相)と現象を現象たらしめている真理(理性)のあり方を明確に示して教義展開・理論構築をしている点」に感嘆し,唯識仏教の研究を専門分野に選んだ。