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Faculty of Letters

文学部

渋谷 亮

渋谷 亮
教員氏名
渋谷 亮 准教授
専門分野
教育思想史・教育哲学・教育人間学

研究内容を教えてください。

私は教育思想史や教育哲学といった観点から、子どもや発達がどのように考えられてきたか、また人々が子どもといかに関係を結んできたかなどを研究しています。関心があるのは、学校教育というよりも、その周辺にある相談、支援、養育などの幅広い領域になります。とりわけジークムント・フロイトらの精神分析、障害を持つ子どもの支援の展開、母子関係の変遷などを検討するとともに、学校や学校外の現場でフィールドワークを行い、人々が子どもたちとどのような関係を作るのかを考察しています。

専門分野のおもしろさは何ですか。

子どもとはどのような存在か、また人々は子どもといかに関係するのか、こうしたことを考えるとき、記憶や時間とは何か、言語とイメージはどう関係しているか、知識や知能とはどういうものかといった問題が自然と現れてきます。また規律と管理のあり方やより良い関係とは何かを考えることも必要となります。私にとって教育思想史は、これら多様な問題についての私たちの把握の根底に何があり、どの部分が変わることができるかを考える道筋を示すものです。そして教育哲学は、これまでとは異なった仕方で考える契機になると思っています。

なぜその分野を専門として選ばれましたか。

私の研究の出発点は、精神分析家のジークムント・フロイトを中心に検討することでした。20世紀の初頭にフロイトは、子どもが複層的な時間と空間を生き、周囲と複雑な関係を取り結んでいると考えました。それは、子どもの世界の研究や子どもに対する相談や支援の出発点のひとつになりました。フロイトが当時取り組んでいた問題や状況は、確かに現在の私たちにとっての問題や状況とは大きく異なります。しかし、過去と現在を交差させ、教育思想史と教育哲学を行き来する中ではじめて見えてくるものがある、そう思って研究を続けています。

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