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Faculty of Letters

文学部

大谷 由香

大谷 由香
教員氏名
大谷 由香 准教授
専門分野
日本仏教・戒律思想

研究内容を教えてください。

私は日本仏教において戒律がどのように解釈されたのかを研究しています。釈尊がインドで仏教教団を作った時、みんなが一緒に暮らすためのルールとして律が作られ、大乗仏教が興った時、菩薩として生きるための指針として戒が立てられました。仏説である戒律は、中国大陸を超えて日本に到着しましたが、仏説であるが故にその文言を変更することは許されません。しかし全く違う文化・風土・習俗を持つ日本で、インドと同じ生活を営むこともできません。人間としての営みと宗教上の理想との葛藤の中で、僧侶がどのように生きるべきかを模索した、その足跡が戒律解釈には表現されています。

専門分野のおもしろさは何ですか。

戒律は日々の生活行儀に密接に関わりますが、日本は海に浮かぶ島国ですから、大陸での仏教徒の生活をコンスタントに知ることはできません。海外留学を遂げた日本僧が帰国し、中国僧が来日するたびに、僧侶の生活は突然アップデートされることになります。 日本ローカルな仏教生活を営むべきか、世界と足並みをそろえたグローバルな仏教生活を営むべきか、アップロードのたびに日本僧は迷ってきました。 現代の私たちと変わらないその戸惑いと決断の繰り返しを観察していると、自身もまたその渦の中の一人であるということに気づかされます。

なぜその分野を専門として選ばれましたか。

中学・高校では、仏教については歴史の授業の中で「宗祖」と呼ばれる人と「宗派」の名前くらいしか教わらなかったので、仏教学といっても何をするのか全く想像ができず、(志望学科に落ちて)思いがけず仏教学科に入学し、滝に打たれるか、写経をするか、と不安に思っていました。 実際に仏教学に触れてみて、地域も時代も超えて多種多様な人々が、自身の生死を越えた自由を得ようと努め学んだ、その営みの系譜を知ることが仏教学だ、と知った時には、もうその世界に夢中でした。 ぜひこの扉をいっしょに開けてみませんか?

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