- 教員氏名
- 武田 猪久生 講師
- 専門分野
- 教育学、教育社会学
学校教育における階層的な不平等について研究しています。人々は学校教育で生じる個人の学力や学歴の差異を「努力の結果」と認識しがちですが、それらは家庭背景からの影響を大きく受けています。一口に「家庭背景」いっても様々な側面がありますが、私の場合は文化的な側面(例えば教育に対する価値観)に着目して研究を進めています。また、近年では家庭背景が「しんどい」子どもに対する学習支援について強い関心を持っています。
家庭背景に拘わらず、すべての子どもに学力を保障することは教育政策の大きな課題であるといえ、平等・公平な社会の実現には必要不可欠なことでしょう。またそれは「教育学の父」といわれるコメニウスの「すべての人にすべての事柄を」という考えにも通じます。より良い社会を構築することに多少なりとも貢献することができる、これが本研究の魅力であり面白さであると感じています。
大学生の時は高校教員を志望していました。それは学校で働くということが、最も子どもの成長・発達に対して平等・公平に関わることができると考えていたからです。しかし、大学での講義で「学校は階層的不平等を維持・拡大する機関である」という考えに出会い、衝撃を受けました。それは大げさではなく、自身の信念が根本から覆される経験でした。この出会いから階層研究に興味を持ち、現在に至ります。