日本臨床宗教師会認定教育プログラム
日本スピリチュアルケア学会「スピリチュアルケア師」認定教育プログラム
あそかビハーラ病院緩和ケア施設実習での患者様の食事実習ふりかえり
超高齢多死社会を迎え、様々な現場において「心のケア」が叫ばれるようになり、そのニーズが高まる中で、龍谷大学実践真宗学研究科(以下、本研究科)では、2021(令和3)年度より、「臨床宗教師研修」に加えて、「臨床傾聴士研修(スピリチュアルケア師)」を開講する。先行して研修を進めている武蔵野大学や上智大学等に学びながら、人材養成講座として実施する。
「臨床傾聴士」とは、「宗教者ではない」ケア実践者であり、ケア対象者である相手の価値観、人生観、信仰を尊重しながら、苦悩(スピリチュアルな痛み)や悲嘆(グリーフ)を抱える人々に寄り添い、「傾聴」を通して、生きる力を育み「心のケア」を提供することを重視する。医療福祉機関等の専門職とチームを組み、ケア実践者として全存在をかけて、人々の苦悩や悲嘆に向き合い、かけがえのない物語をあるがままに受け容れ、そこから感じ取られる相手の宗教性やスピリチュアリティを尊重し、「スピリチュアルケア」や「グリーフケア」を行う。その際、「臨床傾聴士」は以下のような、自己理解力、他者理解力、関係力、共感力、概念化力、表現力、臨床倫理実践力を養うとともに、自らのスピリチュアリティや死生観を涵養することが求められる。
「臨床傾聴士研修」は、本研究科が実施する「臨床宗教師研修」とともに実施される。ケア実践者として全存在をかけて、価値観や人生観、そして信仰の異なる人々の苦悩や悲嘆に向き合い、そこから感じ取られるケア対象者の宗教性やスピリチュアリティを尊重し、病院、社会福祉施設、地域社会、被災地等の臨床現場で実践可能な「スピリチュアルケア」と「グリーフケア」を、講義、グループワーク、臨床実習、個人面談等を通して学ぶことを目的とする。そして、臨床現場における対人援助の専門職としてのケア実践において、ケア対象者をあるがままに受け容れ、「スピリチュアルケア」や「グリーフケア」を行うことができる人材を養成する。研修修了後には、様々な現場において、スピリチュアルケアを主としたケア実践ができる人材を目指す。
基本的には、「臨床宗教師研修」教育プログラムに準ずる形をとる。具体的に重複する以下の項目については、〈「臨床宗教師研修」教育プログラム 履修カリキュラム〉を参照のこと。
a) 臨床宗教師研修における六つの具体的目標
b) 臨床宗教師研修教育プログラム 履修カリキュラム及び実習スケジュールについて
c) 臨床宗教師研修スタッフ・協力者について
この養成研修の修了要件を満たした上で、以下に掲げる要件を満たした研修生は、本研究科が付与する「臨床傾聴士」の資格を認定する。
①身体的・精神的・社会的な健康と有機的関連を持つスピリチュアルな健康について、知的・情緒的・実践的に理解することができること。
②自身の中で働き、また将来を導くスピリチュアリティの力動とその背景を、自分自身の課題として理解し、それに継続して取り組む準備ができていること。
③宗教並びにスピリチュアリティの公共的役割について理解していること。
④現代社会のさまざまな宗教・思想・伝統について共感的かつ批判的に理解していること。
⑤自らのスピリチュアリティをケアの素材として提供しつつ、ケア対象者のスピリチュアリティの涵養を目指す基本的な活動をすることができること。
「臨床傾聴士」の資格の有効期間は5年間とする。
次に掲げる各号のすべてに該当する者に対して、「臨床傾聴士」の資格を更新する。
(1)本研究科が主催する講座修了生を対象とした「実践・研究発表会」において、5年間に1回以上の発表を行うこと。
(2)グリーフケア、スピリチュアルケアにかかる活動実績を、5年間に1回提出し、本研究科委員会の審査に合格すること。
前項の各号に定める資格更新を行わなかった者は、臨床傾聴士の資格を喪失する。
若干名(3名程度)
次の①~③のいずれかに該当し、かつ、④の条件を満たし、⑤⑥に賛同・遵守する者。
※ 臨床傾聴士研修の審査において受講許可となった場合でも、科目等履修生制度において受講許可がされなかった場合、当該年度の受講は不可。
龍谷大学文学部教務課 臨床傾聴士研修担当
〒600-8268
京都市下京区七条通大宮東入大工町125番地の1
あそかビハーラ病院緩和ケア施設でのグループワーク
宮城県南三陸町歌津での追悼法要と住民との交流
広島平和記念資料館での被爆体験講話と交流
源信和尚『往生要集』臨終行儀のロールプレイ