龍谷大学創立は、西本願寺学寮に始まる1639年(寛永16)、そして大学院文学研究科の開設は1953年(昭和28)です。本学大学院は京都における学問研究の拠点として長い歴史を積み上げてきました。
現在、文学研究科は、真宗学、仏教学、哲学、教育学、臨床心理学、日本史学、東洋史学、日本語日本文学、英語英米文学の9専攻によって、充実した研究の場がつくられています。
真宗及び仏教教義など宗教系の真宗学、仏教学の各専攻、科学・倫理・宗教の思想的探求を進める哲学専攻、教育・教育心理を専門とする教育学専攻、臨床心理の実践を重視する臨床心理学専攻、日本史、仏教史、文化遺産など多様な歴史の深化を図る日本史学、アジアを中心にした歴史と文化を研究する東洋史学、古典から近代文学などを対象とする日本語日本文学専攻、英米文学、英語学を対象とする英語英文学専攻など、「文字」「ことば」「形あるもの」を通じて、グローバルな知の探求を構築、展開しています。
研究発表の場は、『大学院文学研究科紀要』をはじめ、各専攻の開設した学会における口頭発表と討論、論文投稿を柱とし、高度職業専門人育成を目的とする海外プログラム(真宗学専攻・仏教学専攻)など、各種の実践的活動の場も設けられています。また、交換留学制度を利用した海外留学生の諸活動、カリフォルニア州バークレーの米国仏教大学院(IBS)との定期的な交流、韓国の東国大学校との交換講義、宗教系大学の学部・大学院8校との学術交流、単位互換による加盟大学開講科目の履修制度の参加など、グローバルかつ学際的研究を深め、発信する多様な場があります。
文学研究科での研究活動を支えるものは、院生個々の研究拠点となる合同研究室と大宮キャンパスの静謐で充実した情報環境です。合同研究室は、院生の研究活動や交流の拠点であり、専門的文献各種を常備しています。1936年(昭和11年)に竣工、2006年人文学系蔵書数約73万冊をもつ大宮図書館も併設して整った研究環境となっています。また、2011年(平成23)開館の龍谷ミュージアムには、仏教美術関連の学術資料が保管展示され、研究対象としても普く活用されています。さらに、2016年に開設した文化遺産学専攻関連施設には、文化遺産の保存と修復のための最新の分析機器が備わり、歴史・美術史資料の分析の充実化が進みました。
教職課程、臨床心理士・公認心理師資格課程など、自らの将来像を描くためのキャリアパスについての情報環境も整っています。
文学研究科は、院生の皆さんと研鑽を積み、正しい社会を見据え主体的に創り出す人材を養成し、将来を見据える場を提供します。
文学研究科長
國下 多美樹