- 教員氏名
- 札埜 和男 教授
- 専門分野
- 国語科教育(・法教育・方言学)
国語科における法教育について実践・研究を進めています。中でも模擬裁判に焦点を当てています。模擬裁判は社会科のイメージですが、これは言語活動そのものです。「文学模擬裁判」というメソッドを開発し『羅生門』『高瀬舟』『こころ』といった文学作品を模擬裁判の手法を使って深く読み解く実践的研究を各地の高校の協力を得ながら進めています。方言学も専門分野で、対象は関西弁の他に、取調べにおける方言使用を研究中です。
国語とはどんな教科なのか?という問いに対して、ことばを通して論理力、想像(創造)力、思考力、表現力、判断力等を養い、それらを手段として不条理な「人間」(という存在)とは何か考え続ける姿勢を養う教科だと捉えています。その深遠な目的を達成するための教育方法を明らかにすることは、どこまで行っても答えのない遠い遠い道のりです。けれどその道中での発見、気づき、人・こと・ものとの出会いにおもしろさがあります。
「たまたま」です。私はもともと社会科教員でしたが、途中「たまたま」国語科教員に鞍替えしました。国語科教員になり「たまたま」大阪市役所の前を通りかかったら「大阪弁ポスター」が貼ってあり、それを教材として用いて方言(教育)の魅力にハマりました。数年後「たまたま」模擬裁判の授業を見る機会があり、ディベートとの違いは「人間が見えてくる」ことにあると知り深みにはまっていきました。全て「たまたま」のご縁です。