- 教員氏名
- 藤 能成 教授
- 専門分野
- 真宗伝道学
人に教えを伝えるのは容易なことではありません。教えがその人の人生の基盤とならなければ、伝えたことにはならないからです。どのようにして真宗の教えを伝えるのか、また、宗教者はどうあるべきかを研究しています。現在、本学の実践真宗学大学院では、臨床宗教師を養成しています。宗教者の側から社会に関わっていくことが求められているのです。今、このような社会の要請に応えていく宗教者のあり方が問われていると思います。
伝道とは、道を伝えること。道を伝えるには、信心が伝える人の身に付いていなければなりません。蓮如上人(1415-1499)の御言葉に「信もなくて、人に信をとられよとられよと申すは、われは物をもたずして人に物をとらすべきといふの心なり」とあります。信心を獲るということの意味について考えていくところにおもしろさがあると思います。
寺院に生まれたことが、浄土真宗との出会いの始まりでした。大学の学部では社会学を、大学院の修士課程で真宗学を学びました。その後、韓国に留学し、元暁(617-686)の浄土思想を研究しました。元暁は、新羅の時代、大衆に念仏の教えを広めた人です。そのことがきっかけで、人に教えが伝わるとはどのようなことかを、考えるようになりました。