- 教員氏名
- 藤本 忠 教授
- 専門分野
- 哲学 /数理科学基礎
以前はヨーロッパ近世哲学、特にカントとドイツ観念論の哲学を主に研究していました。最近は数理科学と関係のあるトピックを中心に、中世後期思想から現代哲学までを射程に入れて研究しています。また物理学と密接に関連した数学にもとづく基礎論的研究もしています。
現在の研究テーマは、西洋史・哲学史・数学(史)・物理学(史)にまたがりますので、数学・自然科学の最先端の知識に触れられることが魅力の一つです。物理学が歴史的には自然学と対応するように、数学は形而上学、あるいはその真正な方法の一つだと私は考えています。ですから数学は私にとっては哲学の一部なのです。こうした見方によって、歴史的な哲学思想のコンテンツを、文献研究の対象としてだけでなく事柄そのものとして把握することが可能となります。
幼い頃から、私は色々なことに関心がありましたが、古典文学、古典音楽、考古学といった歴史的学問、また物理学、宇宙論にとりわけ強い憧憬がありました。また無限や時間の問題にひきつけられていたのをおぼえています。結果的に哲学コースと数学コースに進みました。哲学は学問の母体ですので、なんでも研究対象にできますし、数学は厳密な思考の獲得と感覚的な世界から自由になれる点が素晴らしいと思います。私は、今でも文系・理系という日本特有の学問観にあまりなじめません。