- 教員氏名
- 林 美輝 教授
- 専門分野
- 生涯学習論、社会教育論
自分自身や知識を見つめなおすという意味での“反省”を、日常生活そのものの中における“学習”として研究していくことです。“学習”といえば、何か机に向かって勉強したりして知識を増やすことに力点を置いて理解されることが多いと思います。しかしながら、上のような意味での“反省”を“学習”としてとらえなおした場合には、自分自身や知識を見つめる“視点”が様々な経験の中でどのように変化していくのかということに力点を置いて研究していくことになります。
この研究の「興味深さ」といった意味での「おもしろさ」としては、日常生活の中で私たちを生きづらくしている、ある種のとらわれや思い込みを多角的にとらえることで、この生きづらさを少しでも緩和するヒントが得られるところにあると思います。例えば、“障害”があるからとか、“男”あるいは“女”だからとか、何らかの属性によって強いられる不自由さが、合理的な根拠もないにもかかわらず存在しているからくりを理解するのにも役立つことができると思います。
もともと教育学を学ぶようになったのは、子どもを対象とした教育を通じて世の中がよくなるのだという青年時代の信念があったからです。学んでいくうちに、関心の対象が子どもだけでなくあらゆる世代の教育に興味を持つようになりました。なかでも、私たちの“生”の意味、そして“学習”、あるいは“学ぶこと”の意味を、他人に奪われるのではなく、自分自身でつかむことができるような社会のあり方を考えはじめたことが、今の研究と実践に深くかかわっていると思います。