- 教員氏名
- 樋口 健太郎 准教授
- 専門分野
- 日本古代史
平安~鎌倉時代を中心に、朝廷を中心とした政治史について研究しています。また、朝廷政治の行われた場所というつながりから、中世の京都やその周辺の都市構造についても関心があり、徐々に研究を進めています。
中世政治史研究の魅力は、一言でいうと、史料を読み解いていくことにあると思います。平安~鎌倉時代の政治史については、すでにほとんどの史料が活字化されており、多くの研究が蓄積されています。しかし、史料はその時々の関心にあわせて読んでいくので、読むたびに新しい発見があり、その発見がさらに次の研究へのきっかけになることも少なくありません。また、貴族や朝廷に関する史料では、貴族の日記のように、内容自体が面白く、引き込まれてしまうものもあります。実際に歴史的な事件に接した人物がその直後に記した史料は、とても臨場感があって、読んでいるだけで自分も事件を追体験しているように感じられるでしょう。
もともと絵巻物など、現代のアニメに通じる中世の大和絵の生き生きしたタッチが好きで、中世という時代に興味をもっていたのですが、高校生の頃、室町時代の公武関係について論じた今谷明『室町の王権―足利義満の王権簒奪計画―』(中公新書)に出会い、中世の朝廷や天皇・貴族について知りたいと思い始めました。