- 教員氏名
- 井上 学 教授
- 専門分野
- 交通地理学
公共交通を中心にGISを使ったネットワークの分析、例えばバス交通の路線網やサービス内容が形成・変化する要因を利用者数だけではなく行政・事業者の考え方など地域の特性に着目して研究してきました。これをふまえて、地方自治体や事業者とともに効率的な運行、持続可能な運営方法などについて協議・検討しています。また、近代におけるバス交通のネットワーク形成や経営状況についても地理や歴史の視点から研究してきました。
私たちの生活には移動が欠かせません。交通は地域の需要によって影響されるとともに、移動手段が地域にも影響を与えています。そこに鉄道やバスの路線が形成され、駅や停留所が立地する要因や交通結節点が生み出す周辺の変化について、地域によって条件が異なる歴史的な背景や地理的な特性から明らかにしてきました。これからの「まちづくり」についてこうした視点は大切だと考えていますし、これが交通地理学の魅力です。
子どものころから鉄道やバスに乗ることが好きでした。その時に、どうしてこの路線はこの地域を走っているのか興味がありました。特に、民間事業者が廃止したバス路線を地方自治体が運営すると、路線網が拡大することが散見されました。利用者が少ないのに路線が拡大するのは需要だけではなく、行政の公共サービスに関する考え方の差異や地域の歴史や地理的な要因もあることがわかり、本テーマを選びました。京都はバスが発達している街なのでそれもあるかもしれません。