- 教員氏名
- 岩尾 一史 准教授
- 専門分野
- 東・中央アジア史(チベット)
チベットの歴史に関心があって研究しています。今は10世紀くらいまでのチベット史が専門です。特に古代のチベット(吐蕃)がどんな国家だったのかを知りたくて、学部生のときからずっと研究を続けてきました。この時代のチベットの同時代史料に中央アジアから発掘された古文書群(敦煌文書や大谷文書など)があって、研究でもこういった古文書をよく利用します。それに加えて、古文書が発見された敦煌地域などの歴史も研究しています。
私の専門としている古代チベット史は、チベット語文献や漢語文献に加え、中央アジア出土古文書を史料として主に使います。これら史料はそれぞれ全く異なる関心と角度から書かれています。世界観が異なる史料を突き合わせて歴史事実を探るのは、まるで探偵の推理のようで面白いです。また、1000年以上前に書かれたチベット語の古文書には、誰も知らない歴史事実がたくさん書いてあって、解読していてとても興奮します。
高校生の頃に読んだマンガにチベットからやってきた不思議な女の子が出てきて、初めてチベットに興味がわきました。ところが歴史の教科書でも東洋史の概説書でもチベットは少ししか出てこないのです。そこで、チベットの詳しい歴史を知りたいと思って、大学で勉強することにしました。大学で古代チベットの研究書を読み、あまりにも難しくて驚きましたが、逆にその難しさに惹かれてしまい、今まで研究を続けています。