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Faculty of Letters

文学部

國下 多美樹

國下 多美樹

研究内容を教えてください。

まず、長岡京・平安京を中心に、古代日本の都城を考古学的に解明することを研究の柱として進めている。これまでに長岡京・平安京の調査研究によって8世紀末〜9世紀初めの桓武朝に律令国家における大きな画期があることを認め、その背景に大陸の王権や都との関係が重要であることを考察してきた。また、学生時代からのライフワークとして、京都を中心にした弥生時代〜古墳時代社会の解明することも研究課題である。特に、分析の視点は地域の形成過程におき、地域内の遺跡の動向を常に把握することにつとめている。

専門分野のおもしろさは何ですか。

考古学の楽しさは、遺跡を発掘して人々の活動痕跡を発見した時の感動を得られることである。発掘はまったく予期もしなかった事実をもたらす意外性もあり、醍醐味の一つとなっている。そして、何より資料を集め分類し、規則性を読み取る作業は糸を紡いで布を編む作業に近い。編まれた布は出来上がった時に初めて図像があらわになる。その過程でのひらめきも大事である。しっかりと編まれた布は自らの見方や考えを反映した個性あるものとして仕上げるのである。考古学は、すぐに答えが出ない学問分野だけれど、汗を流し、五感を発揮する発掘という活動的な場がまずは最大の楽しみとなるはずである。

なぜその分野を専門として選ばれましたか。

気づいた時には、考古学の世界に入り込んでいた。大学1回生の夏に生まれて初めて発掘に参加したことが直接の契機となったのかもしれない。今から思い返せば、そのとき以来、多くの研究者と出会い、指導を得てまた刺激を受けたことがこの分野を専門として志すことに繋がったように思う。専門性を貫くことは、とても大変なことではあるけれど、好きなことだから飽きることはけっしてない。しかし、努力し続けなければならないことは間違いないことである。

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