- 教員氏名
- 三谷 真澄 教授
- 専門分野
- 仏教文化学・古写本学
これまで研究してきたことは、ブッダパーリタ(仏護)というインド中観学派の論師の思想から始まり、『賢愚経』や、国内外の中央アジア出土写本に関する総合的研究です。近代仏教学の主流であった、サンスクリット語やチベット語資料を基本とした文献学的研究を進めてきましたが、龍谷大学には、大谷探検隊が持ち帰った文献資料群があり、中国・韓国にも分蔵されています。100年以上経った現在も、研究には終わりがありません。
仏教は現代日本の文化の中に脈々と受け継がれています。仏教文化という大きなくくりで言えば、敦煌・トルファン出土写本の研究もその一環で、それによって国内外の多くの人や所蔵機関、研究組織とつながることができました。それが私の財産です。最近では、鬼や疫病、芸能、その他、アジアの仏教文化全般にも関心を持っていますが、「仏教」という宗教事象を軸に、さまざまな人とモノがつながることが「おもしろさ」です。
縁あって大学や大学院で学ぶ機会をいただき、そこで与えられた学修や仕事に邁進してきた結果です。自分で主体的に選んだというよりも、そこで出遇った友人や恩師、そして、それを支えてくれた両親・親族のおかげであると思います。特に、旅順博物館を始めとする大谷コレクションの研究は、龍谷大学大学院で学びを進めるうちに、多くの恩師や国内外の研究者との交流の中で、時機に恵まれ、自然にそうなったのだと思います。