- 教員氏名
- 田中 知子 准教授
- 専門分野
- 音楽表現教育 幼児の音楽表現 ピアノ教育 リトミックを活用した音楽表現指導
乳幼児期における「音感受」や「音の探索・探究」を通じて生まれる、子ども自身の内発的な音楽表現の在り方について研究しています。約30年のリトミック実践で培った知見と、ドイツの作曲家・教育者C.オルフが提唱した「エレメンタール・ムジーク(根源的な音楽)」の理論を手がかりに、そうした表現をどのように援助できるかを検討しています。楽譜どおりに再現する前の段階にある、音楽と身体、コミュニケーションが一体となった表現の本質を明らかにすることを目指しています。
音楽の魅力は、言葉や文化の壁を超えて、人間の生命力に直接働きかけるところにあります。一つの音が鳴った瞬間に子どものまなざしがふっと変わり、身体が動き出し、そこから思いがけない表現が生まれます。決められた「正解」をなぞるのではなく、音を通して子どもと大人が「今、ここ」の響きを分かち合い、共鳴し合う瞬間。その生きた音楽体験が子どもの育ちにどのようにつながっていくのかを追いかけ、言葉にしていく過程に、教育学としての深いおもしろさを感じています。
私の原点は、音楽系大学でのピアノ演奏にありますが、リトミックの活動を通してリズムと共鳴する子どもたちの表現にふれるなかで、高度な演奏技術だけでは捉えきれない、人と音楽の深いつながりを感じました。そこで、社会人になってから進学した大学院では、子どもが生活や遊びの中でどのように音やリズムを受けとめ、表現していくのかをテーマに選びました。子どもが音に耳を澄ませ、自由な音の探索や即興的な動きの中にこそ、音楽表現の大事な核があると感じています。