- 教員氏名
- 和田 恭幸 教授
- 専門分野
- 日本近世文学・仏教文学(近世)・出版文化史
10年ほど前までは、主に近世初期の出版文化史について研究していました。江戸時代の初期(慶長~寛永)に、どのような出版業者がいて、どのような本を、どのような体裁で刊行していたのかについて調査・研究する研究活動です。現在は、江戸時代の平易な仏書(「勧化本」あるいは「談義本」という)、節談説教(真宗の芸能的な高座説教)、略縁起(寺社のパンフレット)などの研究にシフトしています。
江戸時代の仏教書や略縁起には、いろいろな説話が収載されています。また、説教の台本は、それをさらに面白く、しかも参詣者に「今日は参詣してよかった」と思ってもらえるような工夫が随所に凝らされています。一般的な興味関心という点でいえば、今ではなかなか出会うことのできない話に容易に出会うことができるというのが、この研究の面白さの一つです。学問的な部分でいえば、「受け手のニーズ」「庶民への浸透の度合い」等々といった書籍文化の研究で解りにくいとされる部分を探ることができるという点に注目することができるでしょう。
もともと古い本が好きだったからでしょう。