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Faculty of Letters

文学部

余田 弘実

余田 弘実
教員氏名
余田 弘実 教授
専門分野
近世料理書語彙の研究

研究内容を教えてください。

大きな分野としては、日本語学の中の日本語史で、その中の語彙史を専門としています。特に関心がある時代は近世で、近世に刊行された料理書を研究の柱としています。具体的には、近世の料理書に見られる調理の言葉、料理の名前、魚や野菜などの、当時の呼び方や方言、また、現代語との違いを研究しています。

専門分野のおもしろさは何ですか。

語学を専門としているのに、料理書を資料にしていることについて、しばしば不思議に思われて質問を受けます。たとえば、中国語は、油を使った調理法を細かく言い分けるのに対して、日本語は「揚げる」と「炒める」くらいしかありません。一方、日本語は、水を使う調理法は「煮る」「ゆでる」「ゆがく」「煎じる」「炊く」などのように細かく言い分けます。食文化の違いが言葉にも影響しているとも考えられるのです。料理の言葉は、その時代の人々の感性がダイレクトに感じられる点で面白いと思っています。言葉と文化の関係を考えるためには興味深い分野だと思います。

なぜその分野を専門として選ばれましたか。

高校生の頃は、日本文化史を勉強したいと思っていましたが、大学浪人中、入試問題集の中にあった柳田国男の『蝸牛考』で、方言から語彙の歴史を調べるられることを知り、感動しました。大学に入学したら、日常生活で使う語の歴史を調べたいと思いました。大学に入学してからは、卒論で、日常語の歴史と文化の関係について取り上げたいと考えていましたが、どのような分野の語を研究したらよいのか決められずに悩みました。ある時、指導の先生(日本語学)が、江戸時代には、料理の本が出版されていることを教えてくださいました。そこで「料理」について調べているうちに、言葉と料理の関係を考えることの面白さに気付きました。

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