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Faculty of Letters

文学部

塩田 英子

塩田 英子
教員氏名
塩田 英子 准教授
専門分野
語用論

研究内容を教えてください。

ことばによる描写の多様性とその定着をテーマに研究しています。特に、あるコンテクストの中で一時的に用いられた表現が定着し、語の多義化を促すプロセスに興味があります。たとえば、自然音の物まねにすぎなかった擬音語が語彙化したり、目印にすぎなかった絵文字がある言語文化圏において定型表現として定着することがあります。このような側面に注目し、ことばを意味と音、文字の総体としてとらえることで、関連性理論の観点から、より一般的な言語変化の記述を目指しています。

専門分野のおもしろさは何ですか。

ことばは気持ちを伝えるツールであるだけではなく、ひとの思考を形作る役割も果たしています。語用論は発話解釈のプロセスを解明することで、ひとが自分ではない他者の存在をどのようにとらえ、心的に表示するのかも明らかにしてくれます。さまざまな事例を分析するための理論的枠組みが充実していることはもちろん、ひとにとってのことばとは何か、という問題の核心に迫る可能性に魅力を感じています。

なぜその分野を専門として選ばれましたか。

日常生活の中で何気なく用いていることばについて、時折、疑問を感じることがあります。語用論はその疑問に対する答えを与えてくれる視点のひとつだからです。たとえば、言い間違えても相手に通じるのはなぜか、文字通りの意味を表現していなくても伝わるのはなぜか。ひとはなぜ、自分に向かって発せられていないことばでも解釈してしまうのか、そうすることで何を得るのか。その仕組みを理論的に説明できるツールとして、語用論の有用性に魅かれました。

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